ロッチ中岡さんの父親から勘当された壮絶エピソードとその後の和解

中岡1

お笑いコンビ「ロッチ」の中岡創一さんは、テレビのバラエティ番組などで独特の天然キャラとして人気を集めています。しかし、彼の芸人としての歩みの裏側には、家族との深い葛藤がありました。特に、父親との確執は、一度は“勘当”という形で家族との関係を断たれるほど深刻なものでした。

芸人を志した若き日の中岡さん

中岡さんは、奈良県橿原市の出身。高校卒業後に大阪のNSC(吉本総合芸能学院)に入学し、お笑いの道を志します。しかし、芸人として順風満帆に進んでいったわけではありません。一度は芸人を辞め、三重県の電子部品工場で勤務を始めた時期もありました。

この時、父親は「一度やると決めたことは10年続けろ」と強く叱責したといいます。自分の信念に反してあきらめた息子に対して、厳しくも愛のある言葉をかけたのです。

再び芸人へ──そして“勘当”の言葉

しばらくして中岡さんは、やはり芸人としてやり直したいという思いを抑えきれず、再びお笑いの世界へ戻る決断をします。ところが、この決断が父親の逆鱗に触れました。

父親は、再度の方向転換に対して怒りを爆発させ、「そんな子に育てた覚えはない」「中岡の名前を名乗るな」と告げ、中岡さんを勘当することを決意したのです。

この言葉は、本人にとって非常に重いものでした。自分の人生を賭けて選んだ道が、最も身近な家族との断絶を生むことになるとは、想像もしていなかったでしょう。

芸人としての成功、そして再び父との接点が…

勘当されたのちも、中岡さんは芸人として地道に活動を続けます。ロッチとしての活動が軌道に乗り、テレビへの出演も増えていきました。そんな姿が少しずつ父親の心を溶かしていったようです。

姉の結婚式では、父親が少しずつ態度を和らげていき、やがて「頑張ってるな」と声をかけてくれるようになったそうです。また、父は密かにテレビで中岡さんの活躍を見守っていたことも明かされています。

中岡親子ウィキ
出典:ウィキペディア

結婚式で見せた父の笑顔──家族の絆を取り戻す

2023年、中岡さんは結婚を発表。式は奈良県の橿原神宮で執り行われました。この場所は、両親が結婚式を挙げた神社でもあり、家族にとって思い出深い場所です。

この式には、かつて「中岡を名乗るな」とまで言った父親も出席しており、穏やかな表情で息子を見守っていたそうです。数十年越しにようやく親子が真の意味で和解し、新たな絆を築いた瞬間でした。

誰もが共感する「親との確執」と「夢の代償」

このエピソードは、夢を追いかける若者と、現実を見据える親の間に起こる世代間のギャップ、そしてその中で失われかけた絆が、時間と努力によって修復されることの希望を伝えています。

「夢を追うには覚悟が必要」という言葉を、まさに身をもって体現した中岡さん。そして、どんなにぶつかり合っても、親子の絆は断ち切れないことを証明してくれた彼の姿は、同じように悩む多くの人々に勇気を与えてくれます。

コメント